「さあ、今すぐ笑ってください」と言われて、すぐ笑うことができる人は少ないでしょう。
大半の人は、笑うネタもないのに、無理やり笑うことに抵抗があると思います。
でも、笑いには、健康をもたらす効果があります。笑うことで、否定的な感情が消え、ストレスが発散されるからです。
笑っているとき、私たちの心は、憎しみや怒りとは正反対の感情に向かいます。気持ちがなんとなく、うれしくて、楽しくなるのです。
エルマー・ゲイツ博士というアメリカの科学者は20世紀初頭、人が吐く息を液体に混ぜて、沈殿物の色を比較するという実験を行いました。その実験からは驚くべき結果が出ました。息を吐いた人の感情によって、沈殿物の色に違いが出たのです。ネガティブな感情を抱いている人ほど、沈殿物がにごった色になりました。怒っている人は茶色、苦しんでいる人は灰色、後悔している人は淡い赤色・・・といった具合です。これに対して、心が安定している人の息は、無色透明で、にごっていませんでした。
このことから、ゲイツ博士は、怒りや不安といったマイナスの感情は、健康に良くないものであるという仮説を唱えました。こうした実験からも、笑いによって、肯定的な感情を抱くことの大切さがわかります。
笑いをつくる脳トレーニングです。毎日1回、鏡に向かって大声で笑ってみてください。笑うことで、マイナスの感情を消して、ポジティブなパワーをみなぎらせます。これを1週間続けてみましょう
<笑いの医学的効用>
1:肺、肝臓、心臓、胃、腸などの働きが活発になる。
2:からだの免疫力が高まる。
3:鎮痛作用のある脳内物質エンドルフィンの分泌が増える。