日本では、古くからコンブ、ワカメ、ヒジキ、モズク、ノリ、テングサ(寒天の材料)などの海藻類がよく食べられてきました。
これら海藻には、ヨウ素をはじめ、鉄、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
とくにヨウ素を多量に含んでいます。
ヨウ素はほとんどが甲状腺でホルモンの合成に使われています。海外ではヨウ素の摂取不足が問題になっており、欧米ではこのヨウ素不足を補うため、わざわざ微量のヨウ素を食塩やパン用の小麦などに添加しているほどです
日本が苦労せずにヨウ素を摂取できるのは、海藻類や魚介類などの海の幸に恵まれており、かつ、それらを取り入れた食文化が培われているためです。
以前は、「海藻類はミネラルの供給源としては優れているが、消化吸収が悪くて栄養的にはあまり効果がない」とも言われていたこともありました。
しかし、海藻類にも含まれている食物繊維が、他の栄養素にも劣らない重要な食物成分であることが明らかになり、ますます見直されるようになりました。
食物繊維は水分を吸収し便を柔らかくし、便の”カサ”を増やして速やかに排泄させます。
このことが便秘を予防し、大腸ガンを防ぐ効果があると期待されています。
また、食物繊維には、腸管からのコレステロールの吸収を防ぎ、血液中のコレステロールを低下させる作用があります。
動脈硬化の予防にもつながります。
海藻類を常食している人に長生きする人が多いことも分かっています。ワカメ、コンブ、ヒジキなど少しずつでも食べるよう心掛けたいものです。